約束の指にキスして。
『ぜってー駄目だから。俺達のだから。手ぇだしたらゆるさねーよ?』

お。
桔平若干キレた。
つか、俺達?
俺の、じゃなくて?
なんて軽く突っ込み、想いながらボールを回す。
第一、尚君どころじゃねーって。問題は桑原。
アイツ、本当どうしてやろう?

ま.瑛梨に頼まれたから言わないけどね。



キキー━━━━!

急ブレーキがかかって前につんのめる。
真後ろで小さなうめき声。
体を起こして前を見ると、瑛梨は梓先輩に支えられてなんとか椅子にしがみついていた。

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