約束の指にキスして。
『お前さぁー、瑛梨の事好きな訳?』

『…は?』

『ただ守ってやりたいだけ?』

『……。』

健司が発した突然の質問に、戸惑う。
俺は……。

『俺は瑛梨が必要だし、瑛梨は俺を必要としてくれる。それだけ。』

それだけだ。
友達だ。
瑛梨を救ったあの日から、俺達にすがってくる瑛梨が、大切だと思えた。
それは健司も一緒だ。
健司も俺の大切な友達だし、失いたくない。

瑛梨に、泣いて貰いたくない。

笑顔がみたい。

俺は、あの笑顔が守りたいだけ。
ただ、それだけ……………。
< 113 / 526 >

この作品をシェア

pagetop