約束の指にキスして。
『岡田 桔平』

『藤峯 健司』

撫でられた瞬間、涙が出そうになった。
この二人は私の見方になってくれるんだってわかった。
思い出すと。
二人はいつも、アタシへのイジメに参加しない唯一の人間だった。

『いーかげんにしろよテメー等。』

桔平はズックをおもいっきりなげた。
ズックは背面黒板に当たって落ちる。
すぐ顔の横を通った中沢君がビビって座りこんだ。
中沢君に近寄って、桔平はもう片方のズックを中沢君に押し付けた。

『お前がはけよ。履けるもんならな!!』

『キャッ!!』

数人の女子生徒が声をあげた。
桔平は、そっちを睨んでロッカーを拳で殴った。
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