約束の指にキスして。
『桔平と健司が……変なの。』

アタシに気付いたお兄ちゃんが顔を上げて、桔平と健司をみた。
そして、フッ、と笑った。
何が可笑しいのか。
アタシは心配でたまらないのに。

『瑛梨、匡介のプレーみたか?』
『……?』

お兄ちゃんは立ち上がる。そして、休憩時間の間もなお、ボールを手にして1人ゴールを相手にしている匡ちゃんをみた。

『すげぇよ、匡介は。あれが本場のバスケだ。俺は手も足も出ねぇ。』

『匡ちゃんは…昔からうまかったよ?』

『そうだよ。才能もある。才能あるやつがアメリカで修行つんで、天才になって帰って来やがった。』
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