約束の指にキスして。
お兄ちゃんの目が、マジになる。そして、匡ちゃんをみてニヤリと笑った。

『刺激されたんじゃねーの?天才に実力の差見せつけられてさ。』
『お兄ちゃん…そんな言い方しないでょ。桔平だって、健司だって…』

『あいつ等だって上手いよ?いつ俺のポジション取られるかヒヤヒヤするくれぇ。でもな。才能ある伸び盛りの桔平と、天才になっちまった匡介とは、訳が全然ちげーんだよ。』

『……。』

『まぁ、支えてやれよ。アイツ、きっとこれから毎日とばすぜ。』
そういって、お兄ちゃんは匡ちゃんの所へ向かった。
アタシは1人取り残されたまま、手にあるタオルを握りしめる。

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