約束の指にキスして。
『うるせー。お前等がどーせこんなことしたんだろ。中沢こんな器用じゃねぇしな。』

桔平はズックを投げ捨て、私の手を掴んだ。

『テメー等ズック弁償しろよ。明日までに返さねーと校長にチクッからな。』

そういって教室からでた。
健司もついてくる。
健司は、いきなりアタシを抱っこして歩いた。

『キャッ!?』

視界が逆になる。

桔平と健司は、職員玄関まで歩いてきて、止まった。

『ほら。』

そういって、私に来客用のスリッパを差し出した。

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