約束の指にキスして。
『瑛梨、おぶされ。』

『え?』

唐突な言葉に驚き振り替えると、匡ちゃんがかがんであたしに背中を差し出していた。

『帰るぞ。』

『だって、洗濯物……』

『良いって。他の1年にやらせとくから。』

『でも、マネージャーの仕事だし…』

『あ~もう。いいや。』

匡ちゃんはたちあがり、アタシをお姫様抱っこした。
そのまま運ばれ、夜道を匡ちゃんはアタシを抱っこしたまま歩く。良いのかなぁ、洗濯物。

あ…なんか頭働かない。
……

『具合悪いヤツは寝なきゃダメ。…瑛梨、ゼリーなら食える?』

『…』

『しってんだぞ─お前朝から何も食ってねぇだろ。ゼリーなら食えるか?』

『…わかんない。』
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