約束の指にキスして。
□■□□■■□□□■■■

『ん…。』

布団から起き上がったら、眩しい光が目に突き刺さった。
朝だ。
目をこすり、辺りを見回す。

『こぅちゃん……?』

匡ちゃんがどこにもいない。
布団から出ようとすると、シャツが何かに引っかかったように取れなかった。
寝ぼけ眼で振り替えると、練習着姿の桔平がいた。
アタシのシャツの端を掴んだまま、寝息もたてずに死んだように寝ている。

いつまで練習していたんだろう。
夢からそのまま桔平をつれて帰ってきたようで、なんだか不思議でしばらく黙って桔平の顔を凝視した。
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