約束の指にキスして。
『起きたのか、瑛梨。』

トン、と襖のしまる音がして、見ると手に鍋を抱えた桔平ちゃんがいた。
そして、桔平を見てクスッと笑うと、アタシのシャツと桔平の手を、優しく、優しくはなした。

『コイツ、帰って来たの夜中の2時くらいだよ。練習7時で終わったのにさ、ずっと体育館で自主練してたみたい。んで、帰って来たなぁと思ったら、俺が居んのも気付かずにぶっ倒れて瑛梨の隣で爆睡だろ??おもしれーヤツだな、コイツ。』

匡ちゃんが桔平のホッペをつつく。それでも桔平は身動き1つせず、眠っていた。
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