約束の指にキスして。
『……』

なにもいわないアタシの頭を撫で、健司と桔平は言った。

『助けんの遅れてごめんな。』


と。

私はその言葉とともに声をあげて泣き出したのを覚えている。
それにびっくりした桔平と健司が私の頭や背中を撫でて、色々面白いことを言ってくれて。

アタシは涙を拭いて笑った。
二人も笑って。

それからあたし達はずっと一緒。またイジメられないように。って、桔平と健司が毎日一緒に居てくれた。

ズックは次の日にいつの間にか靴だなに新しいのが戻っていて、イジメもその日からなくなった。
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