約束の指にキスして。
頑張れば頑張る程、アタシは1人だった。
桔平と健司に迷惑かけないようにって思うと、いつもどうりでも、二人とアタシの間に薄いフィルターみたいなのがあって、私だけ隔たれてる。

『これからは俺がいる。』

『ぅん。』

『頼ってよ。力になるから。まぁ、ほうっておかないけど。ほっといたら死んじゃいそうだもん、瑛梨。』

『………。』

匡ちゃんの言葉が胸にしみる。
そうか…これからは匡ちゃんがいる。

そう思うと、急に心がクリアになって、眠くなった。

匡ちゃんの腕の中で目を閉じる。
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