約束の指にキスして。
『俺、バスケの天才としては匡介さんのこと認めてるけど、瑛梨の事はぜって~許さねぇから!』

桔平は『さん』の部分にしっかりと力を込めて言う。
匡ちゃんは苦笑いして、肩をすくめた。

またリビングで言い争ってる。
最近いつもそうなんだよな~。

桔平も健司も、前より頻繁に家に来るようになって、来たら来たで二人とも同じことを匡ちゃんに繰り返し言う。

『え~俺、逆の方がいいんだけど。な─瑛梨?』

『だから、それが許せね─っつってんのに!』

『なんでこんな馬鹿みたいな人に、瑛梨がなつくのか…』

『こら~馬鹿とか言うな。一応これでも先輩なんだから。』

『だってさ~りょう兄。』

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