約束の指にキスして。
桔平と健司はアタシのヒーロー。
アタシを救い出してくれたヒーロー。

もう息苦しくない教室で、アタシは毎日桔平と健司と一緒に過ごした。

昔。

そして、今も…………。

今も、いじめられた後遺症で人間恐怖症、とくに男性恐怖症となった私とずっと一緒にいて守ってくれてる。

優しい二人。




■□■■□□■■■□□□
『~~~~~………。』

机にかじりついて試行錯誤している最中、アタシの背中をつつく指があった。
アタシは振り返らず、そのままペンを走らせる。
そのペンを、長い指がアタシの手の中から奪った。


『ここちがう。χはこっちじゃなくてコッチにかけるの。んで代入。』
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