約束の指にキスして。
『1人ででっからだろーが、馬鹿。』

健司にホッペをつねられる。
アタシは顔をあげることができずに 、桔平のシャツにしがみついていた。


今、なんか変なのみちゃった気がする。
脳内で、何かを。
思い出しちゃいけない、何かを…。

手が、手が伸びてきて、アタシの………


『いやぁ!!!』

『瑛梨?』

桔平がアタシの頭を撫でる。
アタシの目からは、何故か涙が溢れてて。

そして、アタシを心配そうに見つめる二人を見て、すぐに後悔した。

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