約束の指にキスして。

二人は黙りこくる。

あと１ヶ月後に、大きな大会。

毎日毎日、死ぬ程練習して、でも二人は私を気にしてくれてて。

そんなの胸が苦しくなるんだよ。
少しでも力になりたいんだよ。

私を気にしてくれる分の疲労を、二人から取り除きたいんだよ？

『気にしないで。アタシの事は。ほら、二人とも直ぐに彼女出来ちゃうよ？？視野が広くなるよ、きっと。アタシはさ、なんかあったら匡ちゃんに相談するし。そしたら………。』

『瑛梨は…あの人がいたら、俺たちはもういらないわけ？』

『え？…』

『……。』

桔平が先を行く。
突然のことに訳が分からなくて、健司を見上げると、健司は遠くを見ていて……。