約束の指にキスして。
『…り』

『…………り、瑛梨。』

『瑛梨。』

よばれて、ふと目が覚める。
すると、心配そうな顔をしたお兄ちゃんと匡ちゃんがいた。

『バカヤロ─!心配させやがって…』

お兄ちゃんに頭をくしゃりとやられる。
それで、匡ちゃんに痛いほど手をギュッとされた。

壁が真っ白。
薬と消毒液の匂い。

病院……??

『ぶっ倒れたんだよ、お前。一回家につれて帰ったんだけど、めぇさまさねぇからさぁ、死んだかと……。』

『お兄ちゃん…。』

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