約束の指にキスして。
あぶねぇ…ばれるとこだった。


『なーんか《初めてのお使い》の我が子を見つめる親の気持ちなんですけど。』

『うるせぇなぁ、良。心配だろーが。』

再び影から出て、瑛梨の後を追う。瑛梨は、少し警戒しているようで、小さな肩を更に小さくして早足で歩いている。

なんで突然、一人で行くなんて言い出したんだ……。


『心配だよーー?お前より全然。でもさ、可愛い妹には旅をさせよ。変わろうとしてんだよ、瑛梨は。』

『お前なぁー……』

『でもそのかわり。旅に出させてやるけど、瑛梨を傷つけるヤツは絶対許せね──。んな奴形も残らねぇくらいボコってやる。』

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