約束の指にキスして。
決めたんだ、アタシは。

例え必要なくとも、例え二人に拒絶されようと、アタシに出来ることはなにかあるはずだから。

力になりたい、二人と。

どんな些細な事でもいい。

時間を共有したい。

関わっていたい。



『あのさぁ…一文字たりねぇんだよね。』

桔平が、アタシに歩み寄る。
そして、白いティーシャツをアタシに差し出した。

『最近、お前部にこねぇーから渡しそびれたんだ。』

受け取り、広げてみると、背中には大きな文字で《同》の文字。

訳が分からなくて桔平を見上げると、桔平はニィ、と笑った。
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