約束の指にキスして。
伝えて良かったんだ。
二人が居なきゃ駄目だって。
迷惑じゃないんだ、アタシは。二人にとって……。

『号泣も良いけどさ、瑛梨。早く着ろよ。』

『え??』

『お前着ねーと揃わねぇの。』


桔平と健司が私から離れて、アタシに背を向けて並んだ。
桔平の背中に、《共》の文字が。
健司の背中に、《体》の文字が。
その光景に、アタシは視界が遮られる。

『ぷはっ……《共同体》だ。』

共同体。

アタシもいて良いんだね。
二人は…優しいんだ。

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