約束の指にキスして。
《同》の文字。

『っ…夢じゃない。』

カチャリと音がして、リビングのドアが開く。

…お風呂上がりの匡ちゃんがいた。

『起きたの??お前、号泣してそのまま寝たんだよ。』

『匡ちゃん!なんであんな事したの?あんな…』

匡ちゃんは隣に腰かけて、アタシの瞳をジッとみた。

『許せないよ…桔平をあんなふうにして…』

匡ちゃんは表情を変えなかった。
結局、匡ちゃんに叶うはずもなく、桔平は匡ちゃんに遊ばれた。

事の後、体育館で1人涙を流していた桔平の顔が忘れられない。

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