約束の指にキスして。
それから桔平はなにも話さなくて、何も出来なくなって、机に座ってるだけで、ただ外を見つめてるだけで…。
桔平の背中が痛々しくて…アタシは匡ちゃんのクラスまで走って、匡ちゃんを問い詰めたんだった。
『意味分かんないよ!やっと元に戻れたのに……嬉しかったのに!!』

『そんな幸せ、俺は感じて欲しくねーんだよ。』

匡ちゃんは首にかけたタオルを膝に落とし、耳の後ろを触った。

『お前、良いの??アイツ等、傷ついたのは自分達だけだとおもってんだよ?』

『…っ!事実そうなんだから仕方な…』

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