約束の指にキスして。
感謝の気持ちで頭を下げると、司君は八重歯を覗かせてニッコリと笑った。

最近、司君と会話が出来るようになっていた。
と言っても、アタシは言葉を発しないんだけど……司君はアタシの言葉を良く分かってくれているみたいだった。


『なんか、悩み事でもあんの??』

『……。』

『あるんだ。俺でよければ力になるよ!話してみて?』

『………。』

『うーん。そっかぁ、それは大変だ。』

『………。』

『おい、司。オメー誰と話してんだ?1人漫才??』

『うっせーな間嶋。黙って飯食ってろ。』
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