約束の指にキスして。
『匡ちゃん、恥ずかしいよっ……!』

『恥ずかしい??なんで??』

匡ちゃんは平然と一年生の廊下を歩く。
桔平と健司をも凌ぐ程の、只今爆発的人気の匡ちゃんは、当然、いるだけで人の視線を集める。

アタシは、その横を歩くのが凄く肩身が狭い。

あ…桔平だ。

1年D組を通りすぎるとき、桔平の笑い声が聞こえた。

ガラス窓を通して、桔平を見る。
桔平は、英輔君と一緒に沢山の女の子達に囲まれていた。

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