約束の指にキスして。
『おー。いー天気だな、瑛梨!』

『ぅん。』

バタンと音がして、屋上の扉が閉まる。

匡ちゃんは屋上の真ん中辺りで座って、アタシを手招きした。

『…何処座ってんの。』

匡ちゃんに引っ張られる。
匡ちゃんの向かいに座っていたアタシは、いともかんたんに膝の上へと移動させられた。

『良いのに…。』

『駄目。お前食わせねぇと本当に何も食わねぇんだもん。ほら、あーん。』

匡ちゃんが、アタシの口にオカズを放り込む。
匡ちゃんは、アタシの為に毎日お弁当を作って、昼間にアタシに食べさせる。

またぶっ倒れるから、って。

とにかく…近い。

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