約束の指にキスして。
食べる。

寝る。

息をする。

歩く。


そんな人間が普通にできる事さえも、貴方が居なきゃ何もできないアタシ。


落ちてく……奈落の底に。
これからもっと深く。

小学生の頃、途中でひっかけて止めてくれたふたりは、もう支えきれずに落ちそう。

アタシと一緒に落ちなくていい。
これから一緒に堕ちていくのは匡ちゃんでもお兄ちゃんでもなくていい。

1人で堕ちる………


桔平。アタシ、これから貴方に酷いこと言います。

ちゃんとアタシを嫌ってね??

ちゃんとアタシを離してね。

こんなん背負ったって無意味な荷物だって、ちゃんとおろしてね………。
< 262 / 526 >

この作品をシェア

pagetop