約束の指にキスして。
遠くに見える、影が1つ。

赤色のTシャツ。
白のハーフパンツ。

命のバスケットシューズのまま、コンクリートの上を走る少年。
タクシーは…

なんの戸惑いもなく、なんの躊躇もなく…その少年の横を通りすぎた。


『…桔平??』

後ろの窓にへばりつく。
背中に、《共》の文字。

間違いなく、桔平だ……。

『馬鹿だよ………。』

あんなに酷いこと言ったのに。

まだアタシの事を追いかけるの??

ねぇ…桔平ぇ。

< 270 / 526 >

この作品をシェア

pagetop