約束の指にキスして。
『アンッ!アンッ、アンッ、アンッ!!』


夜食をとるために移動している最中、愛らしい声が聞こえる。
華々しいショッピングモールの一店。
あるペットショップの前で、足が止まった。

『なぁに??瑛梨。立ち止まったりなんかして…』

声の主は少し茶色がかった真ん丸の目に、チョコレート色のフワフワの毛。
ぬいぐるみのような愛嬌のある顔で、アタシに微笑みかけていた。
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