約束の指にキスして。
『心配させんなっ、馬鹿っ。』

『お兄ちゃん…ごめ…』

久しぶりのお兄ちゃんに、涙が溢れる。
絶対おもいっきり怒られると思ったのに、お兄ちゃんは抱き締めてくれた…
だって、アタシ、勝手に出ていって、一回も連絡しなかったんだよ??
そんな勝手な妹を…
お兄ちゃんは心配してくれたの?
『後で話がある。』

そう言って、お兄ちゃんは私からそっと離れた。

怒られなかった寂しさに、少しうつ向いていると、大きな手がアタシの頭を撫でた。
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