約束の指にキスして。
『なんでそんなに大事にしてくれるのか…分かんないよ。』

『だから、好きだからだって言ってんじゃん、馬鹿(笑)』

『けんじ…』

くしゃくしゃと、アタシの頭を撫でる健司。
その手が、暖かくて、大きくて…けして嘘じゃないって事を教えてくれる。

伝えあわなきゃ、分かんなかったこと。
お互い大事だってこと。

大切すぎて、臆病になっちゃうんだって事……

馬鹿だ、アタシは。

こんなにアタシを大事にしてくれる二人を、傷つけるような事をして…
< 311 / 526 >

この作品をシェア

pagetop