約束の指にキスして。
張り裂けそうな気持ちは、健司が掴んだまま離さなくて…

本当は帰りたいよ。

でも帰る場所がない。

アタシは…


ゴメン、健司……。


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『お兄ちゃん達、最近どう?』

『りょう兄達??もう推薦で行く大学決まってっから毎日遊んでるよ。』

『そっか…』

しんしんと降り積もる雪をながめながら、自分の町を思い浮かべる。
アタシの町も、綺麗だった。
朝は誰もまだつけていない足跡を、自分の足で踏みながら、桔平の家に遊びにいったっけ。

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