約束の指にキスして。
ボーッとしていると、健司から声がかかった。
現実に引き戻される。

でもまた、アタシの思いは桔平に向けられてて………


桔平、どこにいるんだろう。

楽しく幸せに暮らせてるんであれば、それでいい。
それがアタシが望んだ事だから。
でも…どうして健司まで切り捨てたんだろう。

健司まで…誰も行き先を知らないなんてちょっと変だ。

アタシはまだ後悔してて…

同じ気持ちでいたのに、アタシが桔平を傷つけてしまったこと。
出来ることなら、離れたくなかった………

出来ることなら。

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