約束の指にキスして。
『幸せだった。アタシ、桔平と健司と一緒で。
でもね?無くなっちゃうと思ったら、その日が怖くて。
それにいつも二人にいっぱいしてもらってるのに、アタシ返せてないから悪いと思った。』

『…』

『一番は…アタシ、桔平に自由にバスケがしてほしかった。アタシが居なかったら、桔平はもっと…』

『……』


『でも無くなってから気付いたの。桔平がどれ程アタシの中で大きい存在だったか。』

好き。

どれ程好きか、思い知らされた。
どこか物足りない日々を過ごして、毎日幸せになりきれず、でも毎日生きてきた。

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