約束の指にキスして。
嬉しくて、涙が止まらない。

大好きな人にこんなこと言われて、嬉しくないわけない。

ずっとこうしていたい。
桔平の腕の中に、大事に大事にしまわれていたい。

でも…ね。

夢は覚める。

あたし達は、現実に戻らなくてはいけない。

でもせめて。

好き、と伝えさせて。

伝えあわなきゃ、なにも始まらないから…

『桔平あのね…アタシ…』

『言わないで…。』

桔平の唇がアタシの唇を塞ぐ。
優しく、甘く。

『それ聞いたら、俺、お前から離れられなくなっちゃう。』
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