約束の指にキスして。
④だいがく
時は、高校一年生の時から三回目の春。
アタシは無事大学に進学し、大学のキャンパスの中心で1人さ迷っていた。

次々と渡される勧誘のチラシ。
両手いっぱいになるころ、やっと救いの手がのべられた。

『瑛梨!』

『健司っ!』

健司に手をふると、腕のなかのチラシがバサバサと音をたてて落ちた。

『どんくさ(笑)』

『ちょっと!どんくさいってなにっ!』

『まぁ良いから行こうぜ。』

そういって健司はアタシの手をとると、先を歩いてアタシの手を引っ張る。


アタシは、日本に戻って、健司と同じ大学に通っていた。
すっかり普通の生活が出来るようになっていたアタシは、毎日を楽しく過ごしている。
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