約束の指にキスして。
『ん?』

『ん、じゃねーよ。今何した!?』

『何って、ペロッて。』

『何平然と言ってんだよ!』


あははと笑う桔平は、また合図のようにギュッと握ってくる。
アタシは口の端を押さえたまま上の空。
だって…ペロッて。
アタシ舐められたよ…今。


健司は黒縁眼鏡をダルそうに持ち上げながら、恨めしそうに桔平をみる。桔平は相変わらずアタシの手を握ったまま、イチゴパフェをにこやかに頬張っていた。


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