約束の指にキスして。
『お前…結婚するんだろうが。』

『…そうだ。だけど、だから、半年。半年だけ…俺に瑛里をくれないかな。』

『…やれるわけないだろ!お前、瑛梨じゃない奴と結婚するんだろ?』

健司が眼鏡を外してテーブルの上に置く。

お兄ちゃんは黙ったまま、ずっと桔平を見たままだった。

瑛梨を下さいって?

どうゆうこと?
聞いてないよ桔平。
どういうつもり??

『別に…許して貰えるとは思ってなかった。ただ、二人には言っておきたかったんだ。』

『お前なぁ!』

『連れてくから。二人に許して貰えなくても…』

『何いってんの?お前…お前結婚するやついんだろ?』

『お願いだから!』

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