約束の指にキスして。
ドアに水をかけると、桔平がけらけら笑う。
笑い事じゃないんだけど!
さっきから、桔平は私に少しだけ意地悪をして楽しむ。
まぁ、私もちょっとは楽しかったりするんだけど…
お風呂だけは!いやっ!

『良いじゃん。昔はよく一緒に入ったじゃん?』

『昔でしょそれは…』

いいかけて口をつぐむ。
え…なんか服脱いでない??

モザイクガラスの向こうで、桔平の肌の色が透けている。

『やだやだゃだやだゃだ~~~!』

必死で鍵を押さえると、桔平がドアの向こうで笑った。

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