約束の指にキスして。
健司はにっこり微笑んだ。

『ちょっと…いい加減にして。』
健司の唇がおでこに近づいた時、桔平の手がそれを遮った。
そして、私の体を引き寄せて自分の腕の中におさめる。

『お前…黙ってれば調子こきやがって。』

『良いじゃんな、瑛梨?黙ってバスケしてろよなー。いーとこだったのに。』

『お前なぁ!俺はお前の為に今まで我慢して…』

『桔平。』


健司は足元のボールを広い上げて、ボールの溝に指を這わせた。

『幸せにしなかったら、殺す。』
そう言って、健司の手から離れたボール。
それは、吸い込まれるかのようにリングに落ちた。

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