約束の指にキスして。
『このまま手ぇ、繋がっちゃえばいいな。ずっと離れなくなればいい。そしたら…ずっと一緒にいれるくね?』

桔平は私の目の中でニコリと微笑んだ。でも、現実は桔平の笑みは儚くて。
今にも消えてしまいそう。

桔平は…一体何に向かってるの?
何故そんな悲しそうな顔するの?
そんなこと言うならずっと一緒に居てくれればいい。

…自分から居なくなるくせに。

そんな事言わないでよ。


と思うけれど。

私は消えてしまいそうな桔平にキスをした。
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