約束の指にキスして。
バンッ!!!


いきなり、寝室のドアがいきなり開いた。
桔平の肩が僅かに揺れて、強く私を抱きしめた。
目の前を塞がれる。

急に怖くなって桔平の背中に手をまわすと、桔平は私の頭にキスをした。

『………ごめん。』


……え?

ごめんってどういうこと?

訳が分からず戸惑っていると、乱暴な足音が近づいてきた。


『契約違反よ桔平。はやくその女から離れなさい!』

布団を無理矢理剥いだ女の人が、真っ直ぐ私たちを見下ろしていた。
桔平は私を強く抱きしめてから、そっと離れた。
追いすがるようについていった私の手を、女の人が払う。

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