約束の指にキスして。
『うるさいわね…貴女。タイムオーバー。夢の時間は終わり。桔平に夢見せて貰っただけありがたいとおもいなさいよ。』

アリスさんのヒールの音が遠ざかる。

『桔平…嘘だったの?』

上手く声が出ない。
喉がカラカラで、蚊の鳴くような声で、精一杯だす。

『絶対嘘?好きって言ってくれたのも、愛してるって言ってくれたのも…』

ゆっくりとドアは開いた。
アリスさんが先にドアの向こうへ消える。

嘘??
あの優しかった日々は嘘?

『や…行かないで桔平!』

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