約束の指にキスして。
アリスさんの手が伸びて、桔平の腕を掴んだ。
そのまま、桔平はドアの向こうへ消える。

『いやぁ──────!!!!』

─バタン。

無情な音でドアは閉まった。

なんで??
どおして??
理解できない…

泣く事も出来ずに、ただ脱け殻のようにたたずむ私の前に、匡ちゃんは現れた。

『分かった?瑛梨。運命は変えられない。時間は戻らない。アイツの心も変わらない…』

『……………』

『憎め。騙したアイツを。どんどん墜ちろ…』

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