約束の指にキスして。
『かえろーか。健司もそろそろおきたろーし。』

『ぅん!』

二人で立ち上がる。
桔平はまたアタシの手をポケットに入れた。

『あとさー、お前さ、数学は俺に聞けよなー。』

『ぅん??』

『俺が勉強でお前の力になれんのなんて、数学しかねぇんだからさ。』

『ワンッ!』

桔平が拗ねたように下を見る。
あ。そう言えば。
昨日健司に数学教えてもらったっけ??
それ見て、桔平今そんな事言ったの??

『わかった!あのね、アタシ物わかり悪いんだけどね?お願いします。』

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