約束の指にキスして。
匡ちゃんは私の涙の筋をそっと親指で拭った。

『貴方はだれ………?』

『あれ?忘れたの?』

ちょっと含みのある笑いで匡ちゃんは笑った。

『匡ちゃんなんかじゃない。絶対に…匡ちゃんは嘘つかないし、私の事傷つけるような事言わないもん………』

『嘘?…まだ夢みてんのか?いい加減目ぇ覚ませよ。』

『嘘なんかじゃない!』


キッペーとエリが怯えてる。
でも…あたしはそこまで気が使える程今は余裕がない。

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