約束の指にキスして。
『瑛梨ー。』

遠くで健司の声がする。
今日は爽やかな秋晴れで、頬を撫でる風が心地いい。

だけど、私の心は裏腹。
私の心はどしゃ降りで、台風が来ていて、雷までなっている。

健司が側に居てくれる時は、健司が台風の目となって、私はその中にいて、一時だけ悲しみは和らぐ。

だけど、またすぐに私をおそう。


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