約束の指にキスして。
これも…これも……
こんなのっ!!

『…………!!』

手の平の上の、煌めく指輪の数々。
大きくふりかぶって、アタシは手を止めてしまった。

どうして??

全てアリスさんの差し金。
桔平の愛がくれたんじゃない。

でも…捨てられない。


わなわな震える腕を健司は優しくおろし、アタシの耳の手当てをしてくれる。

ただ泣きじゃくるアタシの側に、健司はずっと居てくれた。
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