約束の指にキスして。
「今日はカレーにすっか!」

健司はそういって勢いよく立ち上がると、私の頭をくしゃっと撫でた。

今、健司に逃げてしまったら。
健司を傷つけるだけじゃなくて…
自分さえも
きっと見えなくなってしまう気がするから。

健司。
健司は強い。
優しい人。
いつも私を優しく見ていてくれた。

そんな貴方だから…貴方は私の為に。
そう、あの日から、貴方は私に気付かれないようそっと、桔平の元に行くようなってたね。

健司は、いつもそっと、私に寄り添って、私を支えてくれていた…………。

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