約束の指にキスして。
『瑛梨…大丈夫か?』

健司の声で、現実に戻される。

私は最近、桔平を信じると言った自分を忘れて、負の感情に押し潰されそうになる事がよくある。

死んじゃえば、楽になる…ってよく考えるの。でも、いつも、健司と、キッペーと、エリが私を引き止める。
現実に戻してくれる。

シャワーを止めて出ると、柔らかいタオルと着替えが置いてあった。

健司の優しさ。

それは、いつも随所に現れている。

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