約束の指にキスして。
ギ────────

協会の扉がゆっくりと開く。
ステンドグラスの厳かな光に、外からの太陽の光が直接入り込んでくる。

「…誰?」

逆行で顔が見えない。
キッペーとエリは二人で寄り添って唸っている。

「貴女を迎えに来たのよ。」

ヒールの音。
それから、誰かが私の腕を引いた。

「匡ちゃっ…」

「貴女には明日、匡介と結婚して貰うわ。」

「なにいって…」

「生憎だけど。邪魔されたくないのよ、貴女に。」

それから、アリスさんは私に茶色い紙をつきだした。
< 486 / 526 >

この作品をシェア

pagetop