約束の指にキスして。
きっとここは、与那国島のどこかだ。
さっき看板みたし、秋なのに凄く暖かい。
人里離れたここはきっと、アリスさんの別荘の1つ。
匡ちゃんは私の顎を掴んで自分に向けさせた。

「アリスの手配だ。誰もお前を助けにこない。それに…」

「どっちにしたって、婚姻届けはあっちにあるんだから、もうこの結婚は止められないのよ…」

「へぇ。俺と結婚する気になった?」

匡ちゃんは嫌みっぽく笑って、私から手を外した。

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